2013年11月4日月曜日

「中夜祭2013」にお越しいただいたみなさんへ

 商学部4年、中夜祭企画責任者の中川と申します。たくさんの人が集まり、みんなで盛り上がる光景に、企画する側にも関わらず舞台袖でただただ圧倒されてしまいました。「会場全体で、野外フェスみたいに盛り上がればいいな」とずっと思っていたのですが、ほぼ100%叶った気がします。

さて、今回コンセプトに掲げた「Joy!!」っていうことばの真意に関して、「あれって結局どういうことなの?と、割と色んな人から聞かれました。その答えは、僕たちが主役として起用した高松意知郎さんが体現してくれていたはずです。徳島の寺の息子として生まれ、いずれは実家を継がねばならないなかで今を生きている現役早大生。映像や舞台上で語られたことは、どれも「ノンフィクション」です。
 観ていたらわかったと思いますが、彼は決して器用にしゃべったり踊ったりできるわけではありません。紫衣を着ているという点には多少インパクトはあったかと思いますが、「場をうまく盛り上げる」ことだけを考えたら、もっと他に適任者が居たことでしょう。

















 けれど、彼には与えられた機会を大事にし、それを全力で成功させようという心がありました。実家を継ぐための修行などもしなければならない中、苦労して入った早稲田という大学で、体育会の部活動(ボクシング部)に精を出したり、稲門会で地元徳島の阿波踊りをたしなんだり。教職課程も受けているとうかがいました。
「せっかく入った大学なんで、色んなことにチャレンジしていたいんです。社会人になったり、いずれ実家を継いだりしてからじゃ、もう遅いですからね。中川さん、何か面白いイベントとかがあったら誘ってくださいね」
 朴訥とした阿波弁で、僕に話してくれました。今回のオファーも、もとから知り合いだったわけではなく、中夜祭スタッフの共通の友人を介してたまたまTwitterでつながったのが発端です。「僕にできることがあれば、何でもやらせてください」と即答。お父様も「面白そうやな、さすが早稲田」と出演を喜んでいたみたいで、衣装や仏具をすぐに送ってくださいました。親子共に積極的に動いてくださり、本当に助けられました。

 僕が3年半観てきた早大生は、言い方をあえて汚くすれば「一部の出しゃばりな人間」が暴れているだけで、大半は群れてしか動けなかったり、ここぞという場面で消極的になったりというイメージでした。
 でも、大きなサークルに属しているわけでもなければ、イベント出演やダンスの経験もない、一見地味な男が、ひとこと「やらせてください」と言ってくれた、その心意気に、僕らは感化されたんです。生まれや育ち、立場なんて何も関係ない。たとえ不器用でも、想いひとつで楽しく生きていける。そんな、高松さんが体現している姿こそが、企画責任者として伝えたかった「Joy!!」の形です。そしてそのメッセージ性は、エンディングの彼の言葉の一つひとつに120%宿っていたんじゃないかと信じています。映像が「Youtube」かどこかに上がったら、また改めて聞いてやってください。

















また、劇中では「高松さんに気づき(Joy!!することの大切さ)を与える役」としてご出演いただいた3つの団体の方々も、心の底から今を楽しんでいる人たちばかりでした。たった40分という限られた時間を盛り上げるべく、何十何百という時間を割いてくださいました。夜遅くまでの練習で体調がすぐれないときも、いざ演技をし始めたら、人が変わったように力強い動きと満面の笑みを見せる。練習を視察するたびに感心させられました。
「本番、ケガとか風邪で来られないとかになったらどうしよう」と当日までヒヤヒヤしましたが、その心配も無用でした。僕の想像の何倍も盛り上がる、最高の演技だったと思います。

 ひとつのイベントがこうやって幕を閉じましたが、本当の勝負はこれからです。各パフォーマー団体は、これからさらなる飛躍を目指して活動を楽しんでいくだろうし、引退したメンバーの皆さんは、また違うフィールドで楽しいことを見つけるのだろうなと思います。
高松さんは、大学を出るまで、実家を継ぐまでという限られた時間を、これからも「Joy!!」し続けるのでしょう。いや、お坊さんになってからも彼のことだったら、楽しいことをたくさん見つけそうな気がします。
















各演者、観客の皆さん、裏で支えてくださった放研や運スタの皆さん、そして我々スタッフも含めて、また明日から「Joy!! Joy!!」って口ずさみながら生きていきましょう!素敵な場をつくったすべての方々に、この場をお借りして深く感謝します。本当にありがとうございました!!

 文 / 中川

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